走り続ける限り、何処にいても僕たちは兄弟だ。
親愛なるポール。
貴方を知ったのは私が学生の頃。
車に対して興味を抱き、色々な作品に出会う中FAST&FURIUOSを知り、そして貴方に出逢いました。
作中で貴方はブライアン・オコナーとしてスープラ、GT-R、ランエボ...数々の日本車を巧みに操ってみせました。
その姿に1人の男として憧れ、そして尊敬を抱きました。
しかし私が貴方を知り、その背中を追いかけようとしたとき、既に貴方は遠い処に行ってしまっていましたね。
劇中でも数々のライバル達を置き去りにしていた貴方ですが、こんなにも早く追いつけない処に行ってしまうとは思いもしませんでした。
あれから6年。
月日の流れは早く、貴方に憧れていた少年は成年になり、貴方の背中を追い掛けるようにRX-7にシルビア、速さを競える車を乗り継ぎました。
ゼロヨンレース、峠攻め、高速での競り合いやキャノンボール。
沢山楽しい事を経験しました。
沢山辛い事も経験しました。
時には無謀な走りから死んでもおかしくない事故を起こしたり、大切な愛車を失ったり、そして沢山の人に迷惑もかけました。
きっと僕は貴方のようにカッコよく生きれてはいないでしょう。
そして僕はアクセル全開で生きれません。
時々、ガス欠や故障で止まってしまう事もある出来の悪い僕という車ですが、ガス欠になれば楽しいことを通してそれが燃料となり、壊れてしまえば周りの人達に支えられながらまた走っています。
沢山の人に支えられて、ゆっくりではありますが僕は走り続けています。
貴方とブライアンの走りをもう見ることはできない。
でも貴方が大好きという気持ちはこれからも変わりません。
そして、いつしか貴方に認められるような生き方が出来たらいいなと思っています。
どれだけ離れていても、遠くにいっても走り続ける限り僕達は繋がっています。
いつまでも貴方を家族のように、兄弟のように慕っています。
ポール、貴方に出逢えて本当に良かった。
ありがとう。
そしてどうか遠い空の上でも大好きな車に乗って、走り続けていてください。
貴方のことをずっと忘れません。
〜FOR PAUL〜
日本のFamilyより